詩集 オリオンの扉


 日溜り ―未来白書



茶を呑んで、
茶を呑んで、
また、茶を呑んで、
日に三度、
日溜りに遊ぶ。
恍々惚々、
そんな未来が今日にもある。

日溜りに、
辞書や日記や、
家計簿など。
あれこれ、
百千の塵芥に、
ぷっ−と、霧吹きかければ、
哀々切々、
七色のスペクトルが立つ。

虹を畳んで、
白紙に戻る。
未来へ0歩、過去へも0歩。
さて、
この日溜りに生きるなら、
万々笑々、
空はがらんと開け放つ。

日溜り無一物、日溜り無尽蔵。

(c) kotaro izui 1993

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