詩集 夢と天然
★―銀河逍遥
百武彗星
まったく
忽然と現れ、
夜のど真ん中を
大胆にも
天頂を縫って
駆け抜けていった。
淡い雲なら
ものともせず、
雲の上で
光って見せた。
天の狐、
長く白い尾。
古代感覚も新鮮に
森も
空も
蘇った。
所属はあるだろう、
出自はあるだろう。
旅人の
旅券は発行済みだ。
天の北極、
北斗七星。
地上では
梟も鳴いた。
太陽は天底にあった。
(c) kotaro izui 2001
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