Anthology


 

 宋獏よ



詩人もまた
鼻は象に、目は犀に
尾は牛に、足は虎に
そのような複雑怪異な
種族なのではなかったろうか
それがこの
(宋獏は)
簡素な作りの
可憐とも言える風貌なのだから
屈折はしていても
元来単細胞な
一重目蓋
一重精神
大いに共感を覚えたのではないか
おまえが獏なら
ぼくも詩人になれる
そう力を得て
心をゆるして
その後の夢の味がどんなだったか
それはあんまり
言いたくはないのである

(c) kotaro izui 2013


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