Anthology


 

 四月の思い出



夜は明けたか、
外は暗く
雨が降っている。
机上では
惟然の俳句と
ツワージクのピアノが
奇妙にミスマッチして、
何か操作を誤ったか
インターネットのブラウザは
みごとに吹っ飛んでしまった。

庭では
一番乗りのスズメの声、
厨では
起きて来た妻の物音。
空耳に
ミソサザイ
キクイタダキ
惟然の句に登場する小鳥たち。

曲は「四月の思い出」
雨が上がれば、
二十九日、書肆「風羅堂」仮オープン。
三十日は、ツワージクの生誕八十年。

(c) kotaro izui 2011


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