小詩集 毛錢の雨


 雨の空地



大声で
雨が降っている
空地に
空っぽの心をのして
そっと広げておいた
在来の雑想も
外来の雑念も
芽を出すにまかせて

 ○

雨は大声で歌い
ひとりで泣いた
雨の心に
草は打たれて
つんつん萌えた

(c) kotaro izui 2015

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