星空散歩
2 木星とプレセペ星団
木星とプレセペ 金沢市上辰巳イーハ陶房 1991
蟹座の甲羅の真ん中にあるM44(プレセペ)は美しい星団です。よく晴れた暗い空なら、肉眼でもやもやとした淡い光芒に見えます。
1991年には木星がこの星座にいて、2月9日には星団の真南に来ました。低倍率の望遠鏡の視野の中に、木星とその4大衛星、プレセペの星々。12年に1度の素晴らしい邂逅です。
時折、沙幕のような雲が通り、その度に淡い星から雲に沈み、明るい星からまた浮かび上がって来ます。遥かな星々のダンスでした。神秘的なバレエでした。
このことがあってからは、多少の雲は厭わずに望遠鏡を庭に出します。
プレセペは星の風景もまた、やわらかな息づかいであると教えてくれました。小さな陶像を十数ばかり焼く卓上窯に、プレセペ窯と命名したのはこの後です。
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プレセペを初めて望遠鏡で眺めたガリレオの1610年のスケッチがあります。
詩集にこの星団を詠んだ「花蜜」という作品を収録しています。
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